成田空港の第4ターミナル案

 成田空港は、今後のB滑走路の延伸およびC滑走路の建設により受け入れ能力が大幅に向上し、増加が見込まれる首都圏の国際線需要を担うことになりますが、これに伴い現在巨大なワンターミナルを建設する方針が固まりつつあります。

初期の段階では、既存の第1・2・3ターミナルに加え、第4ターミナルを建設する案が示されましたが、この案は却下され鉄道駅直結のワンターミナルが建設される可能性が高まっています。

 なお当初案が却下された理由も明らかになっており、初期の計画では既存ストック(駅・ターミナル)を最大限活用して、別途新第4ターミナルを整備する案で事業評価を実施し、第4ターミナルへは道路アクセスかT2駅から徒歩アクセスを想定し、固定ゲートの大半を地下の乗り物で移動した先にあるサテライト部で確保する想定としていました。

しかしながらこの案は、駅が直結していないなど旅客利便性が担保できないこと、ターミナルが今以上に分散することによる運用負荷増大への懸念などにより、航空会社をはじめとする関係者からの評価が著しく低く、全く賛同を得られなかったことがわかっています。

 このようなことから、当初計画は却下され、現在ワンターミナルを建設する方向で準備が進んでいます。なお成田空港におけるLCCも含めた航空各社の便数シェアは最大でも10~15%にとどまっており、特定の航空会社の影響を受けにくい特色を有していることから、成田空港には、航空各社の多様なビジネスモデルに合わせて、航空会社がアライアンスや他社との連携を図りやすい環境を整えることが必要であり、これを実現できるのがワンターミナルと考えられています。